Tauon Music Boxという音楽プレイヤーが中々良かったので紹介する。きっかけは、 Tauon Music Player Adds Slick Transparency Mode for Linux - OMG! Ubuntuという記事だが、実は結構古くからある音楽プレイヤーなようで 萌え萌えmoebuntu 音楽アプリTauon Music Boxを試してみたなど日本語ブログでも紹介されていたりする。
リッチな見た目
当初、ライブラリ管理でなくプレイリスト管理なので、どうかと思ったが、60,000曲程度でも10分もかからずインポートが終わるのと、インポート後、動作が緩慢1になることもない。
また、 OpenSubsonicと互換性もあるようで、 Navidrome経由での再生も可能だ。他にも Spotify、 Jellyfinなどのメディアサーバーの再生もできる。
個人的に驚いたのたが、もはやHDDに置いた音楽ファイルをインポートするより、Navidromeからインポートする方が高速だという事実だ。プレイリスト形式での操作とはいえ、 foobar2000さながらに Generator Codesといったもので、スマートプレイリストを作って、自動化もできる。
歌詞の表示も可能で、形式としては .lrc ファイルがあるか、同期歌詞がタグが埋め込まれていれば表示可能となる。基本、曲名ファイル名と同じファイルを探すが、検索方法は少しカスタマイズもできる。しかも、ギターコード表示に対応しているようだ。
オーディオマニアのため、再サンプリングを避けて再生できてハイレゾ対応されているようだ。 Audio Specs · Taiko2k/Tauon Wiki。
そして、殆どの操作がキーボードで行える。プレイリストを横断しての全体検索が、ただアーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンルを打つだけ。勿論、日本語にも対応している。
ショートカットキー
| キー | 機能 |
|---|---|
| Space | 再生/一時停止 |
| Enter | 選択した曲を再生 |
| - / + | 15秒進む/戻る |
| Left / Right | プレイリスト左に/右に |
| Shift + Left / Right | 前の曲/次の曲 再生 |
| ‘2 | 再生中の曲に戻る |
| Ctrl + ‘2 | 前の再生曲に戻る |
| , / . | リピート / シャフル切り替え |
| Ctrl + F | プレイリスト内検索 |
| 文字を入力 | 全体検索 |
| Ctrl + Up / | 音量上げる / 下げる |
| Tab | ギャラリーモード切り替え |
| Ctrl + I | 選択しているトラック情報表示 |
| Ctrl + P | 再生しているトラック情報表示 |
| F4 | 再生中のアーティスト検索 |
| Ctrl + 1 … 9 | プレイリストにジャンプ |
ランダム検索が/というのはいただけないが、そこは~/.var/app/com.github.taiko2k.tauonmb/data/TauonMusicBox/内の input.txt などでを編集すれば変更できる。曲選択の上下(Up、Down)は変更できないみたいだ。
~/.var/app/com.github.taiko2k.tauonmb/data/TauonMusicBox/input.txt
random-track ;
-random-track-start /
+random-track-start \
random-album ; Alt
-revert / Shift
+revert \ Shift
-quick-find \
+quick-find /
+quick-find F Ctrl
注意点として英語入力となってないとショートカットが動かないことがある。英数字入力状態となっていてもIMがSKKとしていると/を入力しても反応しなかった。
そして、最大の魅力?は見た目か。アルバムカヴァーを背景とすることも可能。ただ、見易さを重視したのか、控え目ではある。左右のサイドバーを透明化することもできる。ただ、中央を透明化はできないようだ。
気になるところ
と良いことづくめのようだが、気になるところもある。Subsonic APIと互換性があるが、“最近、更新した音楽でのソート"がネットワーク越しの曲には適用できない。
getsong | opensubsonicなど見てもcreatedはあるがchangedはない。ただ、作成日時ではソートできると思うので、せめて作成日時でのソートには対応してもらいたい3。
またネットワーク越しの曲はタグや .lrc での歌詞表示に対応していない。しかし、外部歌詞参照サービスで見つけられる場合は、ネットワーク越しの曲でも歌詞は表示される。
そして、一度インポートしたプレイリストの更新は、プレイリストタグにautoと設定して、Regenerateすれば自動更新してくれるのかと上手くいかなかった。メニュー -> データベース -> Rescan All Foldersとしなければならなかった。またネットワーク越しのプレイリスト(Navidrome)は更新されず、再インポートするしかないように思える。触って1、2週間なので、知らないだけかも知れないが、プレイリスト(ライブラリ)の更新については、自動化はできなさそうだ。
個人的には、できるだけNavidromeでのプレイ回数とか、お気に入りなどを集約したいので、ローカル再生はしたくないのだけど、やはりNavidrome再生専用プレイヤー Feishinの方が歌詞表示、ライブラリの更新もすぐ反映されるので、さすがに餅は餅屋といったところか。
また、今時の流行なのかChromeCastも出来るが、上手く行ったり行かなかったりと不安定な印象。アーティスト、アルバムアート画像のインポート、タグ編集も可能で、 MusicBrainz Picardと連携することもできるが、Picardが Flatpakでインストールされていると実行できない。
とはいえ、やはり見た目がリッチなのでインストール直後は楽しく再生できるだろうし、再生、停止、検索などはネットワーク越しの曲でもあっても速い。キーボードだけで殆どの操作が可能なのも、時に都合が良い。久し振りにプレイリスト形式の音楽プレイヤーを使ってみると、アルバムを横断して再生が当たり前なので、アルバム単位の再生より曲単位で聴く人には操作しやすさそう。 Wikiも充実している。タグ編集、プレイリスト(音楽フォルダ)管理、音楽再生と三拍子揃っている。 foobar2000に継ぐ次世代の音楽プレイヤーとも言えるかも知れない。
Windows、Macとマルチプラットフォームなアプリなので長期的にLinux版もサポートしてくれると嬉しい。

