前回、あんだけ味噌っかすに貶しておきながら、性懲りもなくタイナカ彩智のライブに行ってきた。しかも良席(良番号)だった。
愛どころか憎しみしか湧いてこないファンなのに、こんな席取って良いのかな?と思いつつ、最後だから!とドカッと真ん前に座ってやった。
どうせ新譜からばっかりやるんだろうなと分かっていた。けれども、前回は明るくて糞ポップな曲ばっかだったのが予想外だった。しかし、今は新譜がどんな曲かはもう知っている…
それでも、今回はキーボードにコトリンゴ、木琴マリンバにSINSKEというアコースティックな編成。だから、どうせ生まれ変わらせるなら昔の曲に違いない!、どうせやるなら「私の彼は宇宙人」みたいなテクノポップよりバラードだろう…と、心の底に澱として残った願望は拭いきれなかった。な訳ないのにね…。結果的に悲しくも予想通りだった。
セットリスト、順番はテキトー。まず間違っていると思って良い。やった曲目は合ってる。
- アダージョ
- ワンダーランド
- 大好きな彼は宇宙人
- 最高の片想い
- やまのワルツ(童謡)
- Joyful
- まぁいっか
- 魚
- のらねこ天国
- Brand New Day(新曲)
- 花火
- ロンリーウーマン
- 抱きしめて
- Flower Dance
- ペンギン
- CLOSE
- Flower Dance
- イッシンドウタイ
- innocent
- Good-by(新曲)
- And U
タイナカサチ時代からは"最高の片想い"、“抱きしめて"だけ。彼女にしてみれば新曲やるのが楽しいってだけなんだろうけど、曲は一度リスナーに届けたからには、一緒に育てていくものという意識はメッツコーラのカロリーほど皆無。もう、しょうがないね、性格だろう。その分、“最高の片想い"は高音出なくなってないわよ!みたいな気合が入ってたように感じた(な訳ないが)。
ビジュアル的に、髪型は「Destiny」のジャケみたいで良かった。でも、衣装が白いバレエの衣装(?)か、よく分からないけど、丈が長くて絞らず広がっていくデザイン。彼女が0脚だからか、スラっーというよりズボって印象を受けた。
ベスト盤に収録されたライブの前半みたいに、細身の丈短めのワンピースに、黒ストッキングを履いたほうがスタイル良く見えるのにな、とか個人的には感想を抱いた。しかも、両脚をちょっと広げて下半身を安定させて歌おうとするから、よっぽらいが一升瓶をラッパ飲みしているような体勢になる時がシバシバ。
新譜も聴きこめば好きになるかもと、あれから20回以上はリピートしたけれど、好きになれたのは"ウェディングドレス"ぐらい…他はどうも…“魚”、“ロンリー・ウーマン"とか今までと何が違うんだって言われるとうまく答えれないが、MCでも言っていたように変に「お洒落ぶっている」ところがアレンジにしろ、歌詞にしろ好みじゃない。
彼女は、心のヌードさながらに感情丸出しで青臭いまでにどストレートに歌ってくれる方が嬉しい。
それにしても、木琴なんて聴いたのは何年ぶりだろか(マリンバって似て非なるものらしい)・・・改めて見ると変な楽器だよね。リズム楽器みたいに鍵盤楽器を叩く。ちょっとSINSKE、小室哲哉に似てる。コトリンゴさんは、やっぱり綺麗だよね。バークリー音楽大学出身でありながら、派手に弾き散らすことなく、曲が引き立つように弾いていた。タイナカ彩智自身や、今までの他のサポーターより一番良かった。
新曲の手拍子はそこそこに、終了後も良かったと思えた時だけ拍手した。殆どしなかったけど。自分の好きな曲一曲もやらねーな・・・と諦めていた中、本編ラストの"innocent"に、救われた。
死ぬまでに生で"独り占めしたい"を聴きたかったが、それは叶わなかった。9月にDUOでライブがあるって言ってたけど、はい、行きません。心残りはあるが、彼女に対する期待はもうなくなった。
彼女は、数カ月前にフランスで見た「ラ バヤデール」バレエ公演を見て、その影響からかパントマイムを始めたり、新曲もいつも数曲書いてくる。器用なアーティストさんなんだろうなと、思う。それを臆することなくさらりと披露するあたりアーティストらしいし、その精神的タフさは大いに見習うべきかもしれない。
けれど、独りよがり、という言葉でしか私は彼女を括ることしか出来ない。アルバム売上はドンドン下降線を描き(145位→279位)、抽選販売だったこのライブも売り切れず。
さすがにヤバさを覚えたのか、ブログでのコメント欄解放、そして、メルマガ会員限定のツーショット写真撮影。そんな必死さを見せるくらいなら、昔の曲を一曲でも歌ってくれたほうがよっぽど嬉しかった。ライブ終了後、即帰った。今度こそ、本当にさよなら。