有馬総一郎のブログ

(彼氏の事情)

今からでも遅くない、賛成も反対も考えなきゃいけない問題

「100,000年後の安全」(監督・マイケル・アドセン)見た。

有馬総一郎のブログ

日経の一面で広告してたし、劇場のUPLINKのHPでも「朝は若干空きがありますが、昼以降は全て満席です」みたいな書き方しているから、週末は早めに行かないとヤバイかもと思った。だから、10:45から販売開始になる午後のチケットを、9:30に買いに行ったら、「今は一回目の受付なので10:30頃に来てください」と言われた。というか、そのまま10:15を見れそうな状況だった。

なので、10:25頃に行ったら、誰も並んでおらずホケーと椅子に座って待っていると10:47に「お待ちの方どうぞ」と販売開始。その時点で4名ぐらいしかないなかった…しかし、その時に一人が複数のチケットを購入することができない(クレームがあったそう)と言われてちょっとムカッ。HPに書いておけよなー。慌てて嫁に電話して「買いに来て」と出動要請。

ちなみに映画「靖国」を見に行ったときは30分前なんかじゃ直近の上映時間での鑑賞は無理だった。

用事を済ませて、嫁と合流。そして"俺のハンバーグ山本"という値段ほど(1,000~1,800円)美味しくない店で昼食を済ませて、開演15分前の入場を待つ。

しかし、ちっとも入場が始まらない。初回が10:15なのにまだ上映中っていうのと、出てきた人数が3、4名だった事から推測するにマスコミ?の方限定の2回目上映でもしてたっぽい。しかし、時間通りに入場できないなら、そういうアナウンスすべきだし、人員整理も店員同士でああでもないこうでもないとグダグダ言い合っているので、二回目のムカッ。

で上映。

内容はフィンランドに建設中の放射性廃棄物地層処分場の話。現在、放射性廃棄物の処理方法は、ただ放射性が漏れなように保管(破棄)するしかない。再利用も無害化も理論上は可能だが出来ていない状態。

なので、フィンランドは将来的には他の処理方法が出て来るかも知れないだろうが、500メートル地下に埋めておいて、100年分の放射性廃棄物を貯めて蓋してしまいましょう。そういう解決方法に出た。

内容についてはNHK-BSとかでも放送される(「地下深く 永遠(とわ)に ~核廃棄物 10万年の危険~」というタイトルらしいし、GWには監督、専門家を呼んで上映するようなのでホント見てくださいとしか言えない。

当たり前だが、ドラマティックでなくインタビューがメインのドキュメンタリー映画なので、こういう映画に慣れてない人、放射性廃棄物なんてどうでも思っている人はツマラナイかも知れない。

でも、登場人物も言っていたが原発賛成、反対に限らず既に放射性廃棄物は存在するわけで、原子力を利用している、した国民は向き合わなければいけない問題だ。放射性の恐怖を煽って、「100%安全なきゃ嫌だよね?」みたいな理想論を語る変な映画ではない(最後の「君は放射性に被曝してしまった」的なナレーションは不要と思ったが…)。

鑑賞後は配給元のUPLINKの社長が登場して、専門家ではないと前置きしながらも映画の内容を補足するに十分すぎる情報を提供してくれた。

フィンランドは原発が4基で、今度5基建設予定。処理するのは国内、つまりフィンランドの廃棄物のみ。スウェーデンも同じような処理場を建設することが国会で決議された。日本は原発の数はその10倍程度(54基)。だから廃棄物量もその10倍程度なのかな。

日本は放射性廃棄物の地層処分事業について公募中。(NUMO)。四国のどこぞの村が応募し、調査だけで10億円程の交付金がもらえるようで、調査後に「ヤッパやめ」ということも可能らしいが、結局、議会で否決されたよう。(http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/seisaku/siryo/seisaku24/siryo24-1-1.pdf)

他にも放射性廃棄物地層処分に関する資料がある→http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/tyohan/index.htm

以下、感想(ネタバレちょっと有り、ネタバレ云々の映画でないが)。

フィンランド真面目だね。10万年後の処理場を採掘するかも知れない人類、生物のために標識を立てようとか、危険性を後世にも伝えれるように知識の伝達を法律化しようとか、ビックリする。

だって、日本なんて原発、年金問題に限らず、とりあえず自分の一生だけが幸せならいいじゃん的な行政じゃない。そしてなによりこういう映画が作られて情報公開が進んでいるの素晴らしい。監督はデンマーク人で外国の方だよ。日本だと「企業機密です」って終わりそう。

日本は、原発に対して万が一の対処や補強工事をすると「じゃあ、今まで不完全で運用してたのか?」みたいなクレーム(そんな人ホントいるの?)を恐れて、安全策が不十分のままで運用してきたことと比べると、議論に議論を重ねて出来る限りの対応をしようとしているのが分かる。映画ではそれでも足りないと言わんばかりだ。

安全な処理方法が確立されてないのに、そのエネルギー利用を認めたのは科学者として、モラルが欠けていると言えるかも知れないとUPLINKの社長が言っていた。エネルギーをめぐって国家間の諍い、甚だしく戦争が起こっている事を考えると、原子力の利用が100%間違っていたと、一概に言えない気がする。でも、未来に責任を持たず、ただ問題の先送りで原子力利用を進めている日本政府には問題がある。そしてそれについて真剣に向き合ってこなかった国民も。

現在では風力、太陽光、振動などでエネルギー代替が可能ならば、反というよりは脱原子力を進めるべきではないかなー。で、安全な処理方法、再利用が発見できたら原子力の利用をまた考えれば良い、と…しかし、映画でも語られていたが結局ウランも地下資源だからいつか枯渇するんだよねー、なるほどと思ったよ。

思うことは尽きないが、なかなか為になる映画だった。しかし、80名ぐらいのスペースしかないのに、上映時間になってもチケットの購入が可能だったのを見ると、世間一般的な認識度は低かったんだろうな。

陰謀説は好きじゃないが、今週読んだ雑誌、SPA、SAPIO、CYZO、どれもこの映画を紹介していなかった。してたのは日経、そして紹介の仕方に大いに問題のあった某サイトだけだ。なんか、圧力かかってんじゃないの?と穿った見方をしてしまう。

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