タイナカサチが、移動中の新幹線内で読んでいたという「11分間」(著・パウロ・コエーリョ)。ピンぼけしていたが、90%以上の確率でこの書籍で間違いないはずだ。
パウロ・コエーリョは「アルケミスト」で有名な著者らしいので、彼の作品を読んでいるということに意外性は感じなかったが、中身を見てビックリ。エロい!嫁がニタニタと「ふーん、タイナカサチってこういうの読んでいるんだ」と笑いかけてきた理由が分かった。
「むかし、あるところに、マリーアという売春婦がいた。」という冒頭どおり全編、一人の女性のストーリーだ。勿論、官能小説みたいなものではないし、寧ろ濡れ場?も「ただ股を開くだけ」といった淡々とした記述で書かれている。
しかし、後半から過激さが加速し、ちょっとタイナカサチがどんな表情をして読んでいたのかと変な妄想をしながら読み進めると笑いが出て来る(ちょっと変態かかってる?)。
まあ、どこぞのアイドルグループ、声優、漫画のファンとタイナカサチのファンは違っているので、「ビッチ!」「リアル!」と騒ぐことはないでしょうがね。
売春婦に堕ちるまでの過程はそれなりに描かれているが、売春をしているときの葛藤、リスクなどが殆ど書かれていないのが凄く作り物っぽく感じる。いくら高級な店にいたとしても、性病、強姦じみたプレイの強要、体で金を売ることの精神的ストレスなどがあるはずだが、サラッと金を稼いでいるようだ。
だからこそ、女性でも嫌悪感なく、立志伝のようにサクセスストーリー、または、一種の真実の愛を求めて彷徨する女性のラブ・ストーリーとして読みすすめられる気もする。
個人的にはあまりロマンティックさがなくて、男性作者らしい哲学・雑学臭さがイマイチ。有名なマグダラのマリアの聖句を挿入した割には、全体的にそこまで奥深さ、神聖さは感じなかった。
補足・私は電車の中で読んでも問題ないレベルだと思った(読んだし)けど、嫁は恥ずかしくて家で読んでた。