有馬総一郎のブログ

(彼氏の事情)

日々枯れていく自分に降り注ぐ潤いの雨

「すべての雲は銀の…」(著・村山由佳)

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タイナカサチ推薦図書?第二弾。これは良かった。前回の「今夜誰のとなりで眠る」よりは万人向け。

ライトノベルとまでいかないけど、なんかほのぼの温かい気持ちに慣れる。「あ~~、俺も大学・高校時代に戻って青春したいっぺー」そんな気持ちになれる。

由美子と主人公の馴れ初めシーンとか、電話の向こうで女の子同士が「ヤダー、言わないで」とかやり取りしている様とか堪らんっす。

もはや21世紀に入ってからは主流とも言うべき草食系男子の成長期なのかなー、ストーリーとしては。ちょっと年上の未亡人、駆け引き上手な猫娘、同世代の勝気なツンデレ、おっとりした全てを包み込んでくれそうな森ガール、あなたはどのタイプ?まあ、自分は未亡人かな…

いかん、こんなこと書いていると本当にライトノベルと勘違いされそうだ。ま、そう思っても偏見がない方々には問題ないけど。甘えの構造とか、ブラザー・コンプレックスなど読んでいて興味深い所も多い。

「恋愛は契約ではない。先にツバつけたとか屁の突っ張りにもならない」とある登場人物が言うが、いや、私見としては契約でもあると思う。人と人のつながりっていうのは勿論感情が一番先立つ物なんだろうけど、その感情を告白などの言葉や指輪、婚姻届などの形にすることも大切なことだと思っている。

言葉なしで分かりあえたとしても、告白もなく流れや線を引かないままなのは赤の他人と同じ。感情は一時的に上がったりも下がったりもする、その度に二人の関係まで変化していったら人は安定なんか得られやしない。移ろい易い感情、愛だからこそ線を引いて二人の関係に境界線を決めておくのは大切だ。そう考えると主人公の憤りも理解出来る。

「でも、だからといって今の僕には、彼女の気持ちを受け入れることがどうしても出来ないのだった。もう一度誰かを好きになるなんてまっぴらだった。病み上がりの人間に健康なものにつき合うだけの気力がないのと同じように、恋愛にともなうあの際限ない駆け引きや、レッドゾーンまで針が振りきれるような感情の揺れや……そういうことの全てを想像するだけでうっとうしかった。惚れたりふられたり、喜んだり落ちこんだり、期待したり裏切られたり、そんなメリーゴーラウンドの木馬みたいなアップダウンの繰り返しを想像するだけで、ふにゃふにゃと気持ちが萎えた。」

ただ、自分は本文に出てくる上記のような恋愛は忘れたどころか、経験していないなー。振られた経験はあるが、別段なんとも思わなかった。そこまでこちらも好きでもなかったってのもあるけどね。まあ、文字通り「薄情」だったから。理由を相手に見つけて自己正当化できるのも自分にはよく分からなかった。自分のケースはこちらが冷めたからとかそんな感じだった。「あなたが~」と「自分がもう~」とは結局原因は一緒なんだろうけど、言い方・考え方としては違うからさ。

しかし、こういう話読むとホントいっぱい恋愛してくれば良かったなーって思う。感情を殺してなにを殻に篭って多感な青春時代を過ごしてきたんだろう。恋愛に限らず色々損してきただろうと思う。最後に、文句つけるならちょっとラスト汚いなー。自分は逃げた感じがした。にしても読んでいてとにかく楽しかった。

タイナカサチさんが"LIVE 2008 ~Love is…~“で観衆にこう語りかけていた。「みなさん、色んなLOVEしてるでしょ?」「恋してる?」

~中略~

「みんなもっと恋しようよ!」「みんなもっと恋してくださいよ、たのんますよ、ほんまに」。

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